転職を考え始めたけど、キャリアの方向性がわからない。キャリアの棚卸しってどうやるの?やらないとダメ?
このようなお悩みを解決します!
- 転職を考えているけどキャリアの方向性がわからない人
- キャリアの棚卸しの簡単なやり方を知りたい人
- キャリアの棚卸しが重要な理由やメリット
- キャリアの棚卸しの具体的なやり方
- 棚卸しが終わった後にやるべきこと
この記事を読めば、初心者でも簡単にできるキャリアの棚卸しの手順を理解することができます。
自分に合ったキャリアの方向性を明確にすることで、転職活動の成功率がぐんと高まりますよ!
初めての人にも超わかりやすく解説しています。ぜひ最後まで読んでみてください!
キャリアの棚卸しの具体的な手順から読みたい方はここからジャンプできます。
キャリアの棚卸しが重要な理由
「キャリアの棚卸し」とは、今までの経歴とそこで得たスキルを全て洗い出すことです。
結果だけでなく、プロセスも、成功事例も失敗事例も、好きだった仕事も嫌いだった仕事も全てです!!
転職活動を始める前に、キャリアの棚卸しをするべき理由は以下の2つです。
- キャリアの方向性を決めるため
- 転職活動のミスマッチを防ぐため
一つずつ解説していきます。
理由1:キャリアの方向性を決めるため
1つ目の理由は、「キャリアの方向性を決めるため」です。
転職活動をするにあたり、転職の「軸」とも言える「キャリアの方向性」を決めることは成功のための第一歩です。
この軸が定まらないまま、なんとなく転職活動を始めてしまうと、選択肢が多すぎたり、意思決定の基準がぶれたりして、良い判断ができません。
キャリアの方向性が決まらないまま転職すると、「やっぱり前の方がよかった」と感じて後悔することも。
そのため、キャリアの棚卸しは必ず転職活動の一番最初に行い、キャリアの方向性を明確にすることが重要です。
キャリアの方向性を最初に定めることの重要性はこちらの記事でも詳しく解説しています。
理由2:転職活動のミスマッチを防ぐため
キャリアの棚卸しが重要な理由の2つ目は、「転職活動のミスマッチを防ぐため」です。
新卒採用と違って、転職は「募集中のポジションで求められる要件に合致する経験やスキルをもっているかどうか」という観点で採用が決定します。
キャリアの棚卸しをしないままだと、募集中のポジションに本当に自分の経験が合致しているのか、自分自身でも正確に判断することができません。
固定観念に引っ張られて、「自分はこの職種に向いている!」と思って転職しても、結局やりがいを感じられずに後悔するリスクもあります。
このように、転職活動のミスマッチを防ぐためにも、キャリアの棚卸しをして自分の適正を客観的に見極めることはとても重要です。
キャリアの棚卸しをする5つのメリット
キャリアの棚卸しをすると以下の5つのメリットがあります。
- キャリアの方向性の幅が広がる
- 自分に合う仕事を見極められる
- 成長の機会を発見できる
- 質の高い応募書類が書ける
- 面接対策ができる
一言でいうと「転職活動の成功率が高まる」です!
一つずつ解説します。
メリット1.キャリアの方向性の幅が広がる
1つ目のメリットは「キャリアの方向性の幅が広がる」です。
自分自身で得意だと思っていることがあっても、キャリアの棚卸しをすると意外なところに適正が見つかることもあります。
例えば、以下の例をあげてみます。
この例では、経験職種が「営業」だけであっても、キャリアの棚卸しをすると実は他の職種にも横展開できるスキルを得てきたことがわかります。
今まで考えたことのなかった意外な方向に、自分の適正を見出すこともあるかもしれません。
メリット2.自分に合う仕事を見極められる
2つ目のメリットは、「自分に合う仕事を見極められる」という点です。
転職エージェントによっては、希望のキャリアに関わらず、とにかく多くの求人を紹介してくるケースもあります。
キャリアの棚卸しをして方向性がしっかりと定まっていれば、多くの選択肢を提示されても情報の取捨選択が簡単にでき、ミスマッチが起きにくくなります。
一方キャリアの棚卸しが済んでいないと、あれもこれもと情報の取捨選択ができずに時間がかかってしまい、効率の良い転職活動にならないばかりか、結果的に自分に合わない仕事を選んでしまうリクスもあります。
キャリアの棚卸しをすると自分に合った求人を選びやすくなるという大きなメリットがあるのですね。
メリット3.成長の機会を発見できる
3つ目のメリットは「成長の機会を発見できる」という点です。
キャリアの棚卸しをして方向性が掴めてくると、次に進むキャリアを実現するために今の自分に足りていない部分もおのずと見えてきます。
先ほどの例で見てみましょう。
このように、キャリアの棚卸しをすることで、自分の知識やスキルの不足部分も具体的に洗い出すことができます。
必要なトレーニングや勉強など、不足を補うために取るべき行動が見えてきますね!
メリット4.質の高い応募書類が書ける
4つ目のメリットは「質の高い応募書類(職務経歴書)が書ける」という点です。
いったんすべての経歴を洗い出してから、自分のキャリアの方向性に合わせて情報を取捨選択できるので、応募先の求人で求められる経験やスキルとのマッチ度が高くなるのです。
キャリアの棚卸しをしないまま職務経歴書を書き始めてしまうと、記憶に偏りがあったり、求人にマッチしない経験やスキルの部分にボリュームを割いてしまったりと、完成度の低い書類になってしまいます。
私は採用担当者として1日数10件〜100件の職務経歴書を読みますが、質の高い職務経歴書は、その方のキャリアの中にある重要なエッセンスがわかりやすく、求人にマッチするかどうかを判断しやすいと感じます。
求人とマッチ度が高く、書類選考に通りやすい職務経歴書を書けるという点も、キャリアの棚卸しの大きなメリットと言えます。
メリット5.面接対策ができる
最後のメリットは、キャリアの棚卸しと同時に「面接対策ができる」という点です。
キャリアの棚卸しは、今までに経験した経歴と付随するエピソード、またその経験によって得た強みやスキルをすべて洗い出すことになります。
面接では、職務経歴書に書いた内容のうち、どこを深掘りされるかわかりません。
キャリアの棚卸しをしないまま面接に臨むと、記憶があいまいでだったり、深掘りされてもうまく回答することができないリスクがあります。
キャリアの棚卸しは、すべての情報を自分で深掘りして、エピソードや学びをいったん思い出す作業です。
そのため、自分の中の引き出しが増え、面接でどこを深掘りされても適切な回答ができるようになるのです。
【超具体例】キャリアの棚卸し7ステップ
実際にキャリアの棚卸しをやってみましょう!
以下の7ステップで、初心者でも簡単に進められるよう具体例をつけて解説していきます。
- 社会人年表を作る
- 担当した仕事を洗い出す
- 成果と工夫したポイントを洗い出す
- 気持ちを付け足す
- 得た能力・スキルを洗い出す
- マッピングする
- キャリアの方向性を把握する
ステップ1.社会人年表を作る
まずはベースとなる社会人年表を作ります。
新卒で入社した会社から時系列で、「所属した会社」、「部署」、「チーム・役割」をざっくりと書き出し、枠組みを作っていきます。
月まで思い出せなければ、年だけでもOKです。こんな感じ↓
次のステップから付箋を使って情報を付け足していくので、大きな紙に手書きで年表を書く方法がおすすめ!
ステップ2. 担当した仕事を洗い出す
ステップ1で作った年表に、部署や役割ごとに手掛けた仕事を全て洗い出し追記します。
- 担当した業務
- アサインされたプロジェクト
- 期待されていた役割やゴール
など、印象深かったことだけでなく、小さなことでも思い出せる限りすべて書き出すのがポイントです。
思い出せない場合は、過去のビジネスメールや、会社の資料、年間評価の資料などにアクセスがあれば見返してみてください。他にも、過去の手帳や当時の電子メモなどの記録を見てみるのも良いでしょう。
今後のためにも、これからの経歴はなんらかの形で記録しておけるとベストですね!
あとでマッピングするために動かすので、付箋で書くのがおすすめです。こんな感じ↓
ステップ3. 成果と工夫したポイントを洗い出す
ステップ2の右側に、それぞれの仕事において工夫したことや、どんな成果が出たかを書いていきましょう。
成果とは、例えば「営業の達成率」などです。成功したケースでも失敗例でもOKです。
数字的な情報を出しにくい場合は、定性的な成果でもかまいません。例えば「クライアントへの提案内容」、「業務改善に成功したこと」「褒められたこと」なども立派な成果です。
また、その成果にたどり着くために工夫したポイントも追加しておきましょう。
- 工夫したこと
- 苦労したこと
- どんなエピソードがあったか
- 何を頑張ったか
- どんな交渉をしたか
など、思いつくままに書いていきます。
ここも、付箋で書いてみてください。こんな感じ↓
ステップ4. 気持ちを付け足す
ステップ2で洗い出した仕事内容それぞれに、気持ちを付け足していきます。
- 楽しかった
- 辛かった
- やりがいがあった
- やりたくなかった
など、当時感じていた気持ちを思い出してみてください。
思い出せなければ、「今またその仕事をするとしてモチベーションが上がる?」という観点で決めてみましょう。
あとでマッピングするときにわかりやすいように、下の例のように色やマークで印をつけるだけでも良いです。
自分はどんな仕事をするときにポジティブな気持ちになっているのか、客観的に見えてきますよ!
ステップ5. 得た能力・スキルを洗い出す
ステップ4までで洗い出した内容をもとに、その経験から得た能力やスキルを具体的に洗い出すステップです。
能力やスキルは次の4つに分類できます。
- スキル
- ツール
- 知識
- 資格
それぞれ説明していきます。
①スキル
- 部署間の調整スキル
- 社内外のコミュニケーションスキル
- 難しい案件を交渉するスキル
- 数字管理スキル
- マルチタスクスキル
などがあります。
例に当てはめるとこんな感じ↓
②ツール
部署や仕事によって様々なツールがあります。例えば、
- Excel, Word, PowerPoint, AccessなどMicrosoft Office系基本ツール
- Google Analyticsなどウェブマーケティング系のツール
- PowerBI, Tableauなど調査系で利用されることの多いツール
例に当てはめるとこんな感じ↓
③知識
- 業界の知識
- マーケティングの知識
- eコマースの知識
- 金融商品の知識
- 採用手法の知識
など、所属した業界や会社、担当した仕事によってそれぞれ詳しくなる分野があります。
例に当てはめるとこんな感じ↓
④資格
資格については、必ずしも経験業務から得たものだけでは無いかもしれません。
- 語学に関する資格(TOEICや英検など)
- MOS(Microsoft Office Specialist)
- 防火防災管理者
- 衛生管理者
- 秘書検定
- カラーコーディネーター
- 宅建
など、過去に取得した資格があれば、転職活動に利用するしないに関わらずいったんすべて洗い出しておきましょう。
ステップ6.マッピングする
ここからは、付箋を活用して経験した仕事やスキルを以下の4象限にマッピングしていきます。
いよいよキャリアの方向性が見えてきますよ。
ここに、担当した仕事や、能力・スキルを貼り付けてみてください。
ステップ4で気持ちを付け足した情報を参考にすると良いでしょう。そのとき属していた会社は気にしなくてOKです。例に当てはめてみるとこんな感じ↓
ステップ7.キャリアの方向性を把握する
キャリアの棚卸し最後のステップです!
ステップ6でマッピングした情報は、以下のように分類できます。
- 好き×得意=キャリアの軸
- 嫌い×得意=キャリアの軸をサポートするスキル
- 好き×苦手=成長の機会
- 嫌い×苦手=今後のキャリアから外して良い部分
一つずつ解説していきます。
①好き×得意=キャリアの軸
ここが、今後のキャリアの軸となります。
ここにマッピングした仕事内容に近い業界や会社、職種、スキルが活かせる仕事を選ぶと、自分の強みが活きて活躍できる転職になります。
②嫌い×得意=キャリアの軸をサポートするスキル
ここはメインの仕事軸にはならないものの、強みとして活かせる部分です。
キャリアの軸の実現をサポートするスキルとして持っていると良いでしょう。
どちらかというと「嫌い」なことなので、メインのキャリアにはしない方が良いです。しかし得意なことでもあるので、メインのキャリアを支えるスキルや経験としてアピールすることができますよ!
③好き×苦手=成長の機会
好きだけど苦手なこと=「成長の機会」です!
今後のキャリアでこの部分のチャレンジができれば、キャリアの幅が大きく広がります。
転職活動においては、左上をメインキャリアとしつつ、右上にマッピングした仕事や能力にチャレンジできるような機会がある会社を見つけられると理想的です。
④嫌い×苦手=今後のキャリアから外して良い部分
ここは、今後のキャリアとしては検討から外して良い部分です。
経験した結果、好きにならなかったし苦手だったということが実証されています。
そのため転職活動においては、ここにマッピングされた仕事は避けたほうが良いでしょう。
棚卸し後にやるべきこと
棚卸しが終わったら、以下のステップに沿って転職活動を進めていきましょう!
- 職務経歴書に落とし込む
- 転職エージェントに登録して求人を探す
やっと転職活動のスタートラインです。キャリアの棚卸しをしたからこそ、この後のステップがスムーズに進み、転職活動成功への一番の近道となりますよ!
1.職務経歴書に落とし込む
まずは、キャリアの棚卸しから見えてきた「キャリアの方向性」に沿って職務経歴書を作成します。
職務経歴書は、職歴のすべてを平等に書くのではなく、今後のキャリアとして進めていきたい部分に関連する経歴にボリュームを割くのが基本です。
自分のキャリアの方向性に合致する経歴、スキル、知識やエピソードをピックアップして記載しましょう。
書類を読む採用担当者に、「この経歴を持っている人だったらこの求人にマッチするな、面接で話を聞きたいな」と思ってもらうことが重要です。
所属した会社と部署は経歴通り簡潔に記載しますが、キャリアの方向性にそぐわない部分(マッピングの「嫌い×苦手」の部分)の詳細はまるごと捨ててしまって良いです。
失敗しない職務経歴書の書き方については、以下の記事で具体的に解説していますので参考にしてみてください。
2.転職エージェントに登録して求人を探す
転職活動初心者なら、まずは転職エージェントに登録しましょう。
キャリアの方向性が明確になっていて、質の高い職務経歴書が書けていても、それにぴったり合う求人を自分で探すのは困難だからです。
転職エージェントに登録し、職務経歴書を提出、棚卸しで確認したキャリアの方向性を伝えると、それに合った求人を複数紹介してもらえます。
他にも、転職エージェントに登録すると以下のようなメリットがあります。
- 職務経歴書の添削をしてもらえる
- キャリアの方向性についてプロのアドバイスをもらえる
- 面接の練習ができる
- 求人票に載っていない情報を教えてもらえる
転職初心者であれば、まずは圧倒的な求人数や大手ならではの手厚いサポートのある
リクルートエージェントについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。
また、具体的な転職プロセスに入る前に、自分の職務経歴が採用マーケットでどの程度ニーズがあるか試してみるにはビズリーチに登録するのがおすすめです。
以下の記事で詳しく解説しています。
【FAQ】こんなときどうする?
- キャリアが浅くて情報が少ない!
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トータルで2−3年就業していれば、キャリアの棚卸しには十分です。
年単位で思い出すと情報が少ないので、1日の業務を朝から夕方まで全部書き出してみましょう。月曜日〜金曜日までのサンプルを数ヶ月分作ってみると、実はいろいろな仕事を経験していることに気づきます。プロジェクトのような大きなイベントではなくても、「会議に参加して発言した内容」からも、工夫したポイントやスキルを見つけることができます。
- 得たスキルがみつからない!
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どんな小さなことでもスキルとしてアピールすることができます。
上司や同僚に褒められた経験はありませんか?
- 資料が見やすい
- スケジュール管理がスムーズ
- 電話対応が丁寧
- データ入力にミスが少ない
- ファイリングが上手
など。「どういう意識で仕事しているのか」、「どんな工夫でできるようになったのか」を考えてみると、スキルや能力に発展させることができますよ。
- 「自己分析」と「キャリアの棚卸し」って同じ?
-
自己分析とは異なります。自己分析は、ビジネスに限らず自分の内面の強みと弱みを分析することです。新卒であれば重要ですが、中途の転職活動においては実はあまり重要ではありません。
なぜなら、転職は求人と経験スキルのマッチングがすべてだからです。採用企業は、性格上の強みではなく、「ビジネスとして成果を出せる強み」を「客観的な情報」として知りたいのです。
キャリアの棚卸しは、ビジネス上の経験とそこから得たスキルや知識を洗い出して、「ビジネス上の強み」を把握することです。客観性があって、採用企業側としてもマッチングを見やすいです。
まとめ:棚卸しでキャリア適正を見極めよう!
今回は以下の点について解説しました。
- キャリアの棚卸しが重要な理由やメリット
- キャリアの棚卸し7ステップ
- ステップ1:社会人年表を作る
- ステップ2:担当した仕事を洗い出す
- ステップ3:成果と工夫したポイントを洗い出す
- ステップ4:気持ちを付け足す
- ステップ5:得た能力・スキルを洗い出す
- ステップ6:マッピングする
- ステップ7:キャリアの方向性を把握する
- 棚卸し後にやるべきこと
キャリアの棚卸しをすることで、自分にとって最適なキャリアの方向性を見極めることができます。
解説した手順に沿っていけば、初心者でも簡単にキャリアの棚卸しをすることができるので、転職活動の前にぜひやってみてください!
大きな紙とペン、付箋を用意してチャンレジしてくださいね!
それではまた!