年功序列の環境から抜け出したい。
成果主義の外資系に興味はあるけど、やっていけるのだろうか。
こんなことを思っていませんか?
そう思った時が環境を変えるタイミングです!
この記事でわかること
- 年功序列と成果主義の違い
- 成果主義のメリット・デメリット
- 成果主義に向いているのはこんな人!
- 転職の際に気をつけるポイント
多くの日系企業からの転職者と接してきた経験をふまえ、上記のポイントを具体的に解説していきます!
この記事を読めば、成果主義がどのようなものかを理解し、自分に合った環境でさらに活躍するための一歩を踏み出すことができるようになりますよ!
しおりの結論:
年功序列の環境が合わないと思うなら、思い切って卒業!
初めて外資系成果主義の環境にチャレンジしようと思っている方が、転職の際に気をつけるポイントも解説しています。
ぜひ最後まで読んでくださいね!
外資系企業の成果主義
日系企業で成果主義を採用している会社もありますが、「日系企業の成果主義」は、「外資系企業の成果主義」とは異なる点も多いです。
逆に、年功序列の外資系企業はほとんどないでしょう。
欧米のビジネスカルチャーでは、そもそも採用の仕方などから、年功序列の制度にはなり得ません。
外資系企業の成果主義がどのようなものなのか、詳しくみていきましょう!
年功序列との違い
いくつかの観点で、年功序列と成果主義の違いをまとめました。
年功序列 | 成果主義(外資系企業) | |
採用 | 長期雇用を前提とした採用。新卒のように、オープンポジションで人を採用する。ポジションを指定した中途採用もあるが、採用後はジョブローテーションがあることが多い。 | 空いているポジションに対して、必要なスキルを持っている人を当てはめていく採用方法。ポジション限定型。 |
社内異動 | ジョブローテーションで数年ごとにいろいろな部署を経験させる。転勤も含め、必ずしも本人の希望が通るとは限らない。 | 原則として、会社からの一方的な辞令で異動することはない。本人が別の空きポジションに応募して、採用されれば異動することができる。 |
昇給昇格 | 未経験のうちは簡単な仕事から担当し、徐々に難易度の高い仕事を任せられる。昇格試験もあるが、一般的には社歴が長くなるにつれて社内での役職が高くなっていく。それに伴い、昇給する。 | ポジションごとの仕事内容を遂行できる人を採用しているので、仕事の難易度は徐々に上がっていくわけではない。社内異動と同様に、昇格するためには空いている上のポジションに自分で応募する必要がある。ポジションが空くまで昇格のチャンスがない場合も。 |
入り口である採用の原則が違うので、その後社内で経験する異動や昇格の方法も、大きく異なっています。
成果だけではなく、実はプロセスも大事!?
成果主義は名前の通り、「成果」しか見られないんでしょ?
どんなにプロセスを頑張っても、成果を出せなかったときはどうなるの?
このような疑問を持つのも当然ですよね。
しかし、実はプロセスも大事なんです!
外資系企業における成果主義は、以下の原則に基づいています。
Pay for Performance = パフォーマンスに応じて給与を支払う
基本的にはプロセスよりも成果に重きが置かれます。
しかし成果だけでなく、以下のようなポイントも重要とされています。
- 成果につながる実力、スキルはあるか
- 生産性高く仕事をしているか
- プロセスを自分で組み立てて主体的に行動できているか
- 成果を出すために工夫をしているか
このようなポイントをまとめて「パフォーマンス」と表現しているのです。
プロセスのみを切り離して評価することはありませんが、成果につながるプロセスだったかどうか、という点は大事ですよ!
成果は給与に反映される
成果がダイレクトに給与に反映されるという点が、成果主義の一番大きなポイントといえるでしょう。
ただ、外資系企業の中でも、業界や職種によって成果をどの程度給与に反映させるかは異なります。
例えば以下のような業界では、成果が給与に反映される割合が高い傾向があります。
- コンサルティング業界
- 金融業界
- IT業界
また職種では、「営業職」がその傾向が一番顕著でしょう。
営業職の中には「完全成果主義」と言って、固定給がなく100%自分の売上しだいで毎月の給与が決まるような会社もあります。
また、一般的にはヨーロッパ系の企業よりもアメリカ系企業の方が、成果をよりダイレクトに給与に反映させる傾向があります。
私自身はイギリス系の会社で人事をしています。
ヨーロッパ系で、職種も間接部門なので、成果が給与に反映されるのは年に1度ボーナスの査定時のみです。
比較的マイルドな成果主義の環境だと言えますよね。
このように、成果主義の環境では成果が給与に反映されますが、業界や職種、会社によってもその方法や程度は異なります。
外資系成果主義の3つのメリット
ここからは、外資系成果主義のメリットを解説していきます。
①実力次第で誰でも活躍できるチャンスがある
1点目は、誰でも実力次第でフェアに評価され、活躍できるチャンスがあるということです。
評価されるポイントが「成果」であるため、年功序列の会社では良くも悪くも考慮されてしまう以下のような要素は、成果主義では全く考慮されません。
- 社会人歴の浅い新入社員であること
- 入社歴の浅い中途社員であること
- 残業がしにくく、子どもの急な体調不良などでお休みをするリスクのあるワーママであること
- 時短勤務をしているワーママであること
どのようなステータスであっても、実力を発揮して成果さえ出していれば、フェアに評価され高い報酬をもらうことができるのです。
私自身も出産を経てワーママとなりましたが、それを理由に昇進のチャンスを失うことはなく、フェアに活躍する環境を与えてもらっています。
②仕事へのモチベーションが高まる
2点目は、仕事へのモチベーションを高く保てるという点です。
実力しだいで誰にでも活躍できるチャンスがあったり、自分の成果がダイレクトに給与に反映されたりする環境なので、モチベーションは高く保たれ、さらに成果を発揮できるという好循環が生まれるのです!
私が働いている会社でも、パフォーマンスの良い社員はモチベーションも非常に高いです。
- 自社のサービスについて
- クライアントの業界動向について
このようなことをいつも主体的に勉強し、
- サービスを改善できる余地はないか?
- クライアントへの提案方法をブラッシュアップするには?
と、成果につなげるための改善や工夫に余念がありません。
しかも彼らはとてもイキイキとして楽しそうなところが共通点です!
③実力のある同僚と刺激し合える
最後のポイントは、実際に成果を出している同僚と刺激し合い、学び、成長することができるという点です。
- モチベーション高く、成果につながるための勉強も工夫も惜しまない人たちと切磋琢磨しながら働く環境
- 仕事へのやる気がなく、最低限のことしかやらない同僚に囲まれる環境
どちらがビジネスマンとして成長できるかは、言うまでもないですよね。
外資系成果主義の環境で、ある程度の期間活躍している社員の方々は、その環境でサバイブしてきた実力者です。
彼らがどのようにして最短で成果を出しているのか、日々学ぶチャンスがあるということですね。
自分の成果を上げるために他の人を蹴落としたりするんでしょ?
このような質問をもらうことがあります。しかし、私が知る限り、それは事実ではありません。
成果を出して活躍している人は、同僚と助け合い刺激しあうことで自分が成長できたり、新しい視点を得られたりすることを知っています。
相乗効果によって、さらに成果が上がることを期待し、むしろ積極的に情報交換をしていますよ。
外資系企業が「ドライ」だと言うのは、無駄な残業や付き合いの飲み会などがない、という意味だと思います。
ビジネス上の必要な場面では協力する、プライベートな時間は各自尊重する、といったカルチャーのことを言うのではないでしょうか。
成果主義の3つのデメリット
反対に、デメリットにはどんなことがあるでしょうか。具体的に見ていきましょう。
①安定を期待することはできない
1つ目は、安定を期待することはできないという点です。
成果がフェアに評価されるということは、それだけシビアでもあるということです。
モチベーション高く仕事をしても、時には成果に繋がらないこともあるでしょう。
成果と給与がダイレクトに反映されやすい業界や職種では、成果の上がらない時期は期待する給与水準に届かないことも。
特に家族を養っている方にとっては死活問題となり、転職時に敬遠されることも多いです。
転職者から、「自分はチャレンジしたいけど、給与体制について家族が反対しています」という理由で内定を辞退されることも実際に何度か経験しました。
年功序列の会社のように、安定的に給与が保証されている安心感はありません。
逆に言えば、成果の高い時は期待以上の給与水準になるという点を魅力に感じられる人には、すごく向いていますよね。
また、外資系成果主義でも給与をできるだけ安定させたい場合は、バックオフィスなど間接部門の職種を選ぶのがおすすめですよ!
②未経験だと短期間で成果を出しにくい
2つ目は、未経験で転職した場合は、短期間で成果を出すハードルが高いという点です。
多くの日系企業が「未経験者(新卒)を採用し何年もかけてじっくり育成する」という考え方なのに対し、外資系企業は「ポジションに必要なスキルを持っている人を即戦力で採用し、短期間で成果を出してもらう」というスタンスだからです。
そもそも選考の時点で、ポジションに求められるスキルが全くの未経験だと、外資系企業で採用されるのは非常に難しいでしょう。
例をあげてみます。
ある外資系IT企業の法人営業職の募集要項に記載されている「必要なスキル」は以下の通り。
- ビジネス英語(必須)
- 無形商材の法人営業経験(必須)
- ITソリューションへの知識やIT業界での経験(あれば尚可)
これに対し、以下の2人の転職者がいます。
- 外資系での勤務経験無し
- IT業界未経験
- ビジネスレベルの英語力
- 日系大手商社で培った無形商材の法人営業経験あり
比べてみると、転職者Bさんは英語力も高く、まさに外資系IT企業で現在働いている即戦力のように見えます。
しかし、必須スキルの1つである「無形商材の法人営業経験」がないため、当該ポジションでは「未経験」の扱いになります。
そもそも採用が難しいですし、仮に採用されても営業職として短期間で期待される成果を出すことは難しいでしょう。
一方で転職者Aさんは、外資系も未経験、IT業界も未経験です。しかしポジションに必須で求められる2つのスキルは満たしています。
この場合は「経験者」として採用される可能性も高いですし、無形商材の法人営業経験を応用して、成果主義の環境でもすぐに成果を上げる可能性がありますよね。
このように、すでに持っているスキルを活かしながら短期間で成果を上げることが求められる環境だと理解しておいた方が良いでしょう。
③プレッシャーが大きい
3点目は、プレッシャーが大きいという点です。
外資系成果主義の環境では、どこかで1回成果を当てれば良いというわけではなく、成果を出し続けることが期待されるからです。
この環境を「仕事のモチベーションが高まる」とポジティブに考えられるか、「プレッシャーが大きい」と捉えてしまうかによって、ずいぶん見え方が変わってきますよね。
プレッシャーが大きいということは、裏を返せば、それに打ち勝ったときにビジネスマンとして成長できる度合いも大きいということです。
新しいチャレンジにはプレッシャーはつきもの。
適度なプレッシャーを起爆剤にして、大きく成長できる環境にぜひチャレンジしてほしいです!
どんな人が成果主義に向いているか?
ここからは、実際にどんな方が外資系成果主義の環境に向いているのかについて解説していきます。
①個人の実力で勝負してみたい人
個人の実力で勝負したい!と思っている人は、外資系成果主義の環境で働くのがおすすめです。
年齢や社歴は関係なく成果を出した人がフェアに評価され、報酬を得たり昇進したりする環境だからです。
私が働いている会社でも、営業部では20代の営業成績の良い社員が、40代の成績の悪い社員より2倍以上稼いでいるようなことは多々あります。
「人一倍営業成績を上げているのに、報酬は同僚と横並び・・・」
というような不満を持ったことがあれば、年功序列から卒業し、成果主義で実力で勝負する方が向いていますよ!
②大きい裁量を持って働きたい人
もっと大きい裁量を持って働きたい!と考えている人も、成果主義の環境に向いています。
外資系企業ではポジションごとに期待される成果が定められており、その成果を出すためにどのような手段を取るかも含めて、本人に判断を任せているからです。
私も以前日系のメーカーで働いていたときは、業務が細分化されすぎて「この仕事は何のためにやっているんだろう?」という疑問を持つことがありました。
今は外資系企業の人事部で、採用に関わるすべての業務を任されていますので、一つ一つの仕事がどの結果につながるのかを意識することができています。
このように外資系成果主義では、「成果」というゴールに向けて、大きい裁量を持って主体的に仕事をすることができますよ!
③成長意欲が高い人
最後に、「仕事を通じて成長したい!」という意欲の高い方も、外資系成果主義の環境がとても向いていると言えます。
成果を出し続けるために、目標に向かって主体的に取り組んだり、成果を出し続けている優秀な同僚と切磋琢磨したりすることで、ビジネススキルが急速に成長するからです。
私が働いている会社のCEOは、「現状維持ではなく、成長し続けること」といつも社員に向けてメッセージを配信しています。
現在の職場で、自分の成長が鈍化していると感じる人は、外資系成果主義の環境にチャレンジしてみてください!
必ず成長を実感できるはずですよ。
こちらの記事でも、どんな人が外資系に向いているかについて詳しく解説していますのでぜひ読んでみてください!
年功序列の日系企業から外資系に転職する際に気をつけるポイント
最後に、年功序列の環境から初めて外資系企業に転職する場合に気をつけるべきポイントをまとめます。
- 募集要項に明記されているスキルと自分のスキルがマッチしているか?
-
短期間で成果を出すことを期待される環境なので、未経験分野ではなく、ポジションに必要なスキルと自分が経験して得たスキルがマッチしていることを事前によく確認してください。
ここがしっかりマッチしていれば、外資系成果主義の環境でも十分に活躍できるチャンスがあります!
- 成果と給与がどの程度ダイレクトに結びつく環境が良いのか?
-
転職先の企業が、成果と給与をどの程度ダイレクトに結びつけているのか、給与体系を事前に確認しておきましょう。
業界や職種によっても、程度が異なります。
成果直結型で頑張りたいのか、月々の給与は安定させたいのか、自分の希望に合う給与体型の会社を選ぶことが重要です。
まとめ:成果主義にチャレンジしてみよう!
今回は、外資系成果主義のメリット・デメリットを解説しました。
外資系成果主義の3つのメリット
- 実力次第で誰でも活躍できるチャンスがある
- 仕事へのモチベーションが高まる
- 実力のある同僚と刺激し合える
外資系成果主義の3つのデメリット
- 安定を期待することはできない
- 未経験だと短期間で成果を出しにくい
- プレッシャーが大きい
外資系成果主義の環境に向いている人
- 個人の実力で勝負してみたい人
- 大きい裁量を持って働きたい人
- 成長意欲が高い人
「もっとスピード感を持って成長したい!」「もっと自分の成果を認めてほしい!」と思っているなら、外資系成果主義の環境に飛び込んでみるのがおすすめですよ。
成果主義という点だけでなく、「外資系企業で働くとどんなベネフィットが得られるのか」については、こちらの記事でまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください!
それではまた!