外資系はすぐクビになるは嘘!対処法や実例を超わかりやすく解説

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外資系企業ってすぐにクビになるんでしょ?クビにされそうになったらどうすればいいの?

外資系企業と言うと、「簡単にクビになる」といったイメージを持たれることが多いです。

しかし、実際クビ(解雇)になるケースは日本企業同様ほとんどありません。

ではなぜ「簡単にクビになる」というイメージを持たれてしまうのでしょうか。

本記事では、外資系企業での解雇や退職勧奨の実態について、外資系企業の現役人事マネージャーが詳しく、わかりやすく解説します!

執筆者情報

この記事を読めば、外資系企業の解雇や退職勧奨の実態を理解し、過剰な不安を持たずに外資系企業でのキャリアを考えることができるようになりますよ!

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法律の話も出てきますが、なるべく専門用語を使わず、わかりやすく解説しています。ぜひ読んでみてくださいね!

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結論:外資系でも簡単にクビになることはない

外資系でも簡単にはクビにならない

外資系企業でも、よほどの理由がなければ一方的な解雇は認められていません。

なぜなら、外資系企業の日本オフィスには日本の法律が適応されるからです。

日本の労働基準法は、従業員を守ることに重点が置かれていて、クビ(解雇)には厳しい制約があります。

解雇理由が不当だったり、必要な手続きを踏まなかったりすると、解雇は無効になるケースが多いです。

詳細について以下の3点を解説していきます。

  1. 日本の労働基準法が適応になるから
  2. 簡単に解雇できるのは世界でもアメリカだけ
  3. 退職勧奨という方法はある

詳細1.日本の労働基準法が適応になるから

外資系企業であっても、日本で運営しているオフィスには日本の法律が適応され、従業員は日本の法律によって守られています。

日本の法律では、会社が従業員をクビ(解雇)にするには、正当な理由が必要になります。

たとえば、従業員が重大な職務違反をしたり、犯罪を犯して逮捕されたりしたケースが該当します。

重大な職務違反とは、例えば遅刻欠勤を毎日のように繰り返したり、上司や同僚に暴言を吐いたりするようなケースです。

日本の法律においては、「成績が悪いから」とか、「上司に逆らったから」とかいう理由では、基本的にクビにはできません。

できたとしても、裁判に持ち込まれると、解雇無効となるケースがほとんどです。

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外資系企業にもここまで悪さをする人は原則いませんので、簡単にクビにすることはできないんですね。実際、私は外資系企業に10年働いていますが、クビ(解雇)にしたケースは1度も経験していません。

詳細2.簡単に解雇できるのは世界でもアメリカだけ

海外では、簡単にクビになるイメージがあると思いますが、実際に会社が一方的に従業員をクビにできるのは、世界でもアメリカだけです。

アメリカ以外の国では、日本と同様、会社からの一方的な解雇はできない法律の国が多いようです。

アメリカの雇用は「employment at will」という原則があり、ほとんどの場合、会社は予告なしにいつでも従業員を解雇できる権利があります。(こわい!)

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外資系=アメリカの会社というイメージが強いのかもしれませんね。

ただ先述の通り、アメリカ系の外資系企業でも、日本オフィスの従業員は日本の法律で守られていますので、簡単にクビになることはありません。

詳細3.退職勧奨という方法はある

外資系企業では、法的リスクの高いク解雇を避けるために「退職勧奨(たいしょくかんしょう)」という方法を取ることがあります。

これは、従業員に退職をうながす方法で、従業員側の同意がなければ退職は成立しません。

具体的には「退職パッケージ」という特別退職金を払うことで、従業員に退職に合意してもらって円満な退職を目指す方法です。

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解雇よりもお互いにとってソフトな着地点を目指しているものですね。日本企業でも同様の手法はありますが、実施数としては外資系企業の方が多い印象です。

外資系が簡単にクビになると思われている5つの理由

クビになると思われている理由

そもそもなぜ外資系企業は「簡単にクビになる」というイメージを持たれやすいのでしょうか。

それには以下のような理由が考えられます。

  1. 成果主義だから
  2. 求められるスキルが高いから
  3. 給料が高いから
  4. 終身雇用の考えがないから
  5. 日本から撤退することがあるから

一つずつ解説していきます。

理由1.成果主義だから

外資系企業は成果主義であることが多いので、常に成果を出すことが期待されています。

期待される目標を達成できない場合に「クビになる」というイメージを持たれているようです。

成果に対してシビアなのは事実ですが、クビになることはほとんどなく、実際はパフォーマンスが悪い期間が長く続くと、退職勧奨が行われ、従業員の自主的な意思による円満退職が目指されます。

理由2.求められるスキルが高いから

外資系企業では新卒採用やポテンシャル(未経験)採用をしている会社は少なく、募集中のポジションにマッチするスキルや経験を持つ人を即戦力として採用します。

必然的に、高度な専門性や語学力が要求されることが多く、業務を遂行するために必要なスキルを維持していないと、会社にいられなくなるというイメージが生まれているようです。

理由3.給料が高いから

業界や職種にもよりますが、一般的には日系企業の似たようなポジションに比べると外資系企業は給料が高い傾向にあります。

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給料が高い分、期待値も高いとみなされるのですね。

外資系企業は合理的な経営をしているため、給料の高い人は当然コストパフォーマンスを評価されます。

また、経済状況が悪化した際や、生産性が低いと判断した際は、組織再編やリストラを実施することがあります。

このような企業カルチャーから、外資系企業はクビになりやすいというイメージを持たれがちです。

理由4.終身雇用の考えがないから

今でこそ日系企業でも終身雇用の考えが薄れてきていますが、外資系企業では終身雇用の考え方は全くありません。

会社主導の異動もないため、キャリアアップを目指すときに社内に別のポジションが空いていなければ転職するのが普通だと考えるカルチャーなのです。

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外資系企業を渡り歩いている人は、数年ごとに転職を繰り返す人も多いです。「転職=キャリアアップ」と考えているので、転職回数の多さはそこまでネガティブな要素になりません。

このようなカルチャーから日系企業に比べて外資系企業は人の流動性が高く、人が定着しにくいと思われることが多いようです。

理由5.日本から撤退することがあるから

外資系企業はグローバルな経営戦略を持っているため、日本市場からの撤退を決断することもありえます。

その際は、日本オフィスの従業員は職を失うリスクに直面します。

日本から撤退しない場合でも、人件費を抑えるための人員整理(いわゆるリストラ)をすることもあります。

合理的な会社経営をしているため、そのあたりは日本企業よりもドライに実行される印象です。

このような理由から、外資系企業は日系企業に比べて「簡単にクビになる」と考えられているようです。

クビ(解雇)と退職勧奨の違い

クビと退職勧奨の違い

外資系企業であっても、一方的にクビになることはほとんどなく、実際は「退職勧奨」という従業員と合意の上で円満に退職をする手法が取られています。

この2つの手段は何が違うのか、整理してみましょう。

クビ(解雇)

解雇は、会社側が一方的に従業員との労働契約を解除することです。

会社が従業員を解雇するためには以下の決まりがあります。これを守らないと、不当解雇となり、解雇は無効と判断されることがあります。

  1. 就業規則で解雇の理由を定めておく
  2. 社会の常識にてらして納得感のある理由でないと解雇できない
  3. 合理的な理由があっても、解雇する少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の賃金(解雇予告手当)を支払う

「社会の常識にてらして納得感のある理由」というところが難しいですよね。

一般的には以下のようなケースが明らかに解雇に相当すると考えられます。

  • 無断欠勤を繰り返して仕事に出てこない
  • 法律違反をして逮捕される
  • 同僚に暴言を吐いたり暴力を振るったりする
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「頑張っているのに成績が悪い」などの理由は、社会の常識では「それで解雇はひどいんじゃないの?」と言われてしまいそうですよね。だから外資系企業であっても、日本の法律で運営している限りは、会社の都合で一方的に解雇をすることはできないのです。

退職勧奨

退職勧奨は、会社側が従業員に対し、自発的な退職をうながすことです。これは強制的な手法ではなく、従業員の意志にもとづいたものでなければいけません。

退職勧奨をできる理由は解雇と比べてゆるく、人件費削減のための組織変更や、給与に対するパフォーマンス不足なども含まれます。

パフォーマンス不足を理由に退職勧奨をするとき、外資系企業では事前にPIP(Performance Improvement Program/Plan=業務改善プログラム)に取り組ませることが多いです。

PIPとは

対象の従業員のパフォーマンスが足りないと判断したときに、一定期間をもうけて業務改善プランに取り組ませることを言います。一般的には以下のような内容が含まれ、PIP対象となった従業員は改善に向けて取り組むことになります。

  • 業務上、具体的にどの部分で改善が必要なのか
  • PIP期間が終了した時点で達成しておくべき目標
  • 目標達成、業務改善のために会社から提供するトレーニングやサポートの内容

「PIPを実施して改善を指導したけれど改善されなかった」というストーリーができると、会社にとっては退職勧奨が正当化されやすくなります。

退職勧奨は必ずしもネガティブな要素ばかりではなく、「退職パッケージ」と呼ばれる、退職に合意する場合の条件が提示されるところも特徴の一つです。

具体的には、以下のようなものが「退職パッケージ」に含まれます。

  • 特別退職金(平均的には給与の3か月~6か月分程度)
  • 使っていない有給休暇の買い取り
  • 再就職支援

従業員側が退職パッケージを受けて退職に合意すると、会社と従業員、両者合意の上での円満な退職となるのです。

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退職が合意されない場合は解雇に進むこともありますが、退職勧奨は解雇と比べ法的なリスクも低く、企業にとってはより望ましい手段となります。そのため、パフォーマンスを重視する外資系企業では退職勧奨の手段を取るケースが多くなるんですね。

よくある退職勧奨3つの理由

よくある退職勧奨3つの理由

外資系企業では、以下の理由で退職勧奨をするケースがあります。

  1. パフォーマンスが悪い
  2. 上司や同僚からの評価が悪い
  3. 組織再編による人員整理

一つずつ解説していきます。

①パフォーマンスが悪い

支払っている給与に対して、見合うパフォーマンスを提供していないと判断されると退職勧奨の対象になることがあります。

外資系企業は合理的な経営をしているため、給与とパフォーマンスのバランスを見て、継続的な費用対効果を判断しています。

費用対効果が悪いと判断すると、退職勧奨に踏み切ります。

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外資系企業では他部署への異動が一般的ではないので、与えられたポジションでパフォーマンスを発揮できないと厳しい判断をされます。成果主義のシビアな面だと言えますね。

②上司や同僚からの評価が悪い

社内における人間関係が悪いと、業務をスムーズに進めるのに支障がでると判断されることもあります。

明らかにその人に起因する職場の雰囲気の悪化やコミュニケーションの悪さが明らかになると、評価は悪くなり、結果的にチームにフィットしないと判断されるからです。

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外資系企業はドライだと思われていますが、効果的に仕事を進めるために必要なチーム内でのコミュニケーションは評価の対象となります。コミュニケーション能力も求められるスキルの一つだということですね。

③組織再編による人員整理

外資系企業では、グローバル市場の経営戦略の見直しによって、日本オフィスの組織を再編したり、日本から撤退したりという判断を下すことがあります。

原則として他部署への異動のない外資系企業では、部門の統合や廃止などによる人員整理は避けられません。

このような場合は退職勧奨になりますが、個人のパフォーマンスによるものではないため、退職パッケージは多めに提示されることもあるでしょう。

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外資系企業では人員整理は珍しいことではありません。ただ、転職時に企業の業績や日本オフィスの実績などをきちんと調べておくことで、ある程度は回避できますよ!

退職勧奨の前兆とは

退職勧奨の前兆は?

クビは突然言い渡されるイメージがありますが、退職勧奨には前兆となる傾向があります。

それを知っておけば、ある程度心の準備や転職に向けた準備をすることが可能です。

例えばこのようなことがあれば、退職勧奨の前兆だと思ったほうが良いでしょう。

  • 繰り返しパフォーマンスの低さを指摘される
  • PIPを提示される

繰り返しパフォーマンスの低さを指摘される

仕事で期待されるパフォーマンスを出せず、そのことを何度も繰り返し指摘されている状況は、退職勧奨の対象になる重要なサインです。

特に、他の同僚と自分のパフォーマンスを比較されたり、具体的な数字や事例にもとづいて低評価を指摘される場合は、組織にとっての貢献度を問われている可能性が高いです。

PIPを提示される

PIP(Performance Improvement Plan=業務改善プログラム)を提示されることも、退職勧奨につながる前兆の一つです。

PIPは従業員のパフォーマンスが基準に達していないと判断されたときに提示され、一定の期間内に業務の改善や目標の達成が求められます。

期間内に改善が見られない場合は、退職勧奨につながります。

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私自身は今働いている外資系企業で人事の責任者として各部署が作成したPIPの内容が合理的かどうかチェックする立場です。PIPが提示された場合は、以下のポイントをチェックしておきましょう。

  1. 改善すべきポイントは具体的か
  2. 改善の方法が実行可能か
  3. 目標がフェアで達成可能なものか
  4. 達成できなかった場合のプランが明確になっているか

これらがきちんと明記されたPIPが提示された場合は、目標達成のために全力で取り組みつつも、ダメだった場合も見据えて転職活動の準備をしておくことが賢い判断です。

退職勧奨された場合の対処法

退職勧奨された場合の対処法

実際に退職勧奨をされた場合、どのように対処するべきかについて解説します。

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退職に合意するかどうかを考えるのに数日から1週間くらいの猶予期間をもらえるはずです。焦ってすぐに合意せず、きちんと退職パッケージの条件を見ることが重要ですよ!

対処法は以下の2つです。

  1. 退職に合意せず、「自己都合退職」を選ぶ
  2. 退職に合意し、「会社都合退職」を選ぶ

対処法1.退職に合意せず、自己都合退職を選ぶ

退職勧奨の前兆を感じた時点で、自分で転職活動をして自己都合退職(自分の都合で辞める、ごく一般的な退職手続き)を選ぶ人は多いです。

会社と退職について交渉するのが気まずいとか、退職勧奨されるのはプライドが傷つくから嫌だと考える人はこの選択肢を選びます。

通常の転職と何も変わらないですが、退職勧奨に伴う退職パッケージ(特別退職金など)はもらえません。

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ただ、転職によって年収アップができれば、大きな問題ではないですね。

次の会社を決める前に退職するのはリスクが大きいのでおすすめしません。

自己都合退職の場合は失業手当をもらえるまでにも数ヶ月の待機期間があるからです。

また無職になって焦ってしまい、合わない会社に転職してしまうリスクもあるので、注意しましょう。

退職勧奨の回答期限に間に合わなければ、無理に自己都合退職を選択せず、退職に合意して会社都合退職を選ぶことがおすすめです。次の章で説明していきます。

対処法2.退職に合意し、会社都合退職を選ぶ

実際に退職勧奨をされて、退職パッケージを受け取り退職に合意するパターンです。これは「会社都合退職」となります。

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個人的には、変なプライドを持たず、退職パッケージをもらって退職することは賢い判断だと思います。

会社都合退職であれば失業手当は退職後すぐに支給開始されます。

そのため、転職活動のための時間に経済的リスクを抱えることが少ないし、外資系の転職においては会社都合退職は必ずしもネガティブな要素にはなりません。

なお、退職パッケージの特別退職金については交渉して増額を狙うことも可能です。提示された条件通りに合意するのではなく、一度サインを拒否してみるのも良いでしょう。

会社としては解雇という法的リスクを取るより、特別退職金を増額してでも、円満に退職してほしいという意識が強いため、交渉に応じて増額してくれるケースがありますよ。

番外編:弁護士に相談すべき?

弁護士事務所のサイトなどを見ると、簡単に退職勧奨に応じず弁護士に相談することが勧められています。

しかし個人的には、特別退職金の交渉くらいはしても良いですが、退職勧奨されたらさっさと退職パッケージをもらって退職したほうが良いと思っています。

弁護士に相談すると弁護士費用もかかるし、そもそも外資系企業では転職することは普通のことだからです。

費用と労力を考えたら、弁護士に相談して今の会社と戦うより、新しい環境に転職して心機一転頑張ったほうが良いのではないでしょうか。

退職勧奨ではなく解雇の場合で、それが不当解雇だと思われる場合は、経歴に「解雇」という傷がつくのを避けるために弁護士を雇ってでも戦うのは良いと思います。ちなみに退職勧奨であっても、強制的にサインをさせられると違法となるということは覚えておいてください。

退職勧奨においては、弁護士に相談する必要はなく、退職パッケージをもらって退職し、転職活動を頑張るほうがおすすめですよ。

【外資系】実際にあった退職勧奨の事例

実際にあった退職勧奨の事例

私自身は外資系企業で人事として10年働いています。その中で人事としていくつかの退職勧奨の事例に立ち会ってきました。

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人事の仕事として正直好きな仕事ではありません。しかし、会社から評価されていないまま働き続けることは会社にとっても従業員本人にとっても良いことではありません。

日系企業のように、別の部署への異動が原則としてできないため、できるだけ円満に、会社の外に出て次のステップに進んでもらうために必要な手段だと思っています。

数としては10年で数件なので、多くはありません。外資系企業でも、慎重に採用を行うことで、ミスマッチを防ぎ、退職勧奨による退職は極力減らそうという動きがあります。

外資系企業での退職勧奨は実際どのようなものなのか、実例をご紹介します。

  1. 営業目標の達成率が悪く改善する気がない人
  2. 高いレベルで採用したけど期待する成果を出さない人
  3. 人員整理で部署の人数を減らす

ケース①営業目標の達成率が悪く改善する気がない人

営業ポジションでは売上の数字や目標数値への達成率が評価の基準となります。

営業ポジションのほとんどの人が少なくとも目標達成率70%程度を出している中、この従業員の方は3年連続達成率が10〜20%台と目立って低迷していました。

上司の見解では、前職の営業のやり方に固執していて、何度アドバイスしてもうちの会社に合う営業スタイルに変える気がないということでした。

上司も人事も個人面談をしましたが、本人に改善する気が見られなかったため、PIPを作成して3ヶ月間実施してもらいました。3年間改善しなかったことを3ヶ月で改善して目標達成するのは難しく、PIP終了時点で改善がみられなかったため、退職勧奨に至りました。

この従業員の方は退職勧奨に応じ、退職に合意して会社都合退職となりました。

ケース②高いレベルで採用したけど期待する成果を出さない人

高度な専門性を持つ人材が期待される外資系企業においては、高い期待値を持って入社したものの、それに見合うパフォーマンスを出せずにいるケースも存在します。

採用面接の時点で高い期待値を持っていたため、採用した会社側にも責任はあるのですが、高い給与を払っているだけの成果を出せていないということで、会社と従業員のミスマッチだと判断し退職勧奨に至りました。

この従業員の方は退職勧奨には応じず、退職パッケージを受け取らないまま自己都合退職をし、転職されました。本人のプライドもあったのだと思います。

ケース③人員整理で部署の人数を減らす

市場環境や経営戦略の変化により、組織再編や人員整理を行うこともあります。

私の経験では、日本オフィスにある1つの部署の人数を人員整理により6人から4人に減らすということがありました。

必然的に、給与に対するパフォーマンスが悪いと判断される2人が選ばれることになります。

このケースは必ずしも本人のパフォーマンスだけが原因ではないため、会社の人件費改善、組織の合理化のために必要なステップだということを説明し、いつもより高い特別退職金を支払って退職勧奨に応じてもらいました。

また、転職活動のサポートということで、転職エージェントを紹介したり、転職活動に専念できる猶予期間を設けたりと、できる限り従業員の次のステップへ配慮した形での退職勧奨となりました。

退職勧奨されずに活躍する人の特徴5選

退職勧奨されずに活躍する人の特徴

外資系企業で退職勧奨されずに活躍し続ける人には以下のような特徴があります。

  1. 成果を出し続ける人
  2. 常にスキルアップを意識している人
  3. 変化に柔軟に対応できる人
  4. 上司や同僚とコミュニケーションを取る人
  5. 転職も視野に入れて行動する人

一つずつ解説していきます。

特徴1.成果を出し続ける人

外資系企業において、成果・パフォーマンスを出し続ける人は継続的に活躍できる人だと言えます。

目標や期待される成果に対して、効率的に仕事をし、会社が支払う給料に見合った成果に繋げることができているからです。

その結果存在価値を認められ、退職勧奨の対象になるリスクは限りなく低くなります。

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成果主義の外資系企業においては、成果を出し続けることは一番大切な要素だと言えるでしょう。

特徴2.常にスキルアップを意識している人

常にスキルアップを意識している人も、退職勧奨の対象にならず外資系企業で活躍できる人の特徴です。

業界の動向に合わせて必要なスキルを身につけ、自己研鑽にはげむ人材は企業にとって大きな資産だからです。

もともと必要なスキルを持っているからと採用された人が、さらに新しいスキルを身に付けようと努力すると、とても希少価値の高い人材になります。

市場価値が高まり、会社の中で不可欠な存在として活躍することができるでしょう。

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常に学び、スキルアップをするということは、外資系企業で働く社員にベースとして求められることでもあります。

特徴3.変化に柔軟に対応できる人

外資系企業では、経営方針の変更や営業戦略の方向転換など、ビジネス環境に合わせて戦略や方針が常に変化します。

その変化に柔軟に対応できる人は、外資系企業で長く活躍できる人の特徴だと言えるでしょう。

前職のやり方に固執したり、頑なに変化を嫌うような人は、高いパフォーマンスや合理的な働き方につながらず、会社からの評価が下がるリスクがあります。

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「朝令暮改」という熟語がありますが、外資系企業はまさにそんな感じ!変化を楽しんで柔軟に対応することは外資系企業で働く人にとって必要不可欠な要素ですよ。

特徴4.上司や同僚とコミュニケーションを取る人

良好な人間関係を築くスキルは、チームで働く職場において重要視されるポイントです。

日系企業に比べるとドライな関係性だと思われがちな外資系企業ですが、チームの生産性向上に必要なコミュニケーションはむしろ必須のスキルとして評価の対象になっています。

積極的に上司やチームメンバーとコミュニケーションを取り、信頼を獲得してチームの生産性向上に貢献している人は、退職勧奨の対象になるリスクは低く、外資系企業で長く活躍することができるでしょう。

特徴5.転職も視野に入れて行動する人

外資系企業では、キャリアアップのための転職はごく一般的です。

自分のキャリアに対する意識が高く、自分の市場価値を意識した行動を取れる人は、結果としてパフォーマンスが高く、会社の中で重宝される人材になります。

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私は人事として、「いつでも転職できる市場価値の高い人材がたくさんいる会社」が最強の組織だと思っています。

このような人はそもそも退職勧奨の対象になるようなケースは稀ですが、仮に対象になったとしても市場価値が高いためすぐに条件の良い転職をすることができるというメリットもあります。

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それでも外資系で働くメリット

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簡単にクビになることはないものの、退職勧奨という手段を使って常に組織のスリム化を図り、合理的な会社経営をしているのが外資系企業だと説明してきました。

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ここまで聞くと、外資系企業はいかにもシビアで、厳しい環境だと思ってしまうかもしれません。

確かにパフォーマンスに対してシビアな面はありますが、事前に会社情報をよく調査しておくこと、また自分の経験やスキルとマッチする求人を選ぶことで、退職勧奨につながるリスクは大きく軽減することができます。

また、そのシビアな環境に身を置くことで、得られるメリットも非常に大きいです。

ビジネスマンとしての成長やグローバルな視座、異文化理解などビジネス上のメリットはもちろん、ワークライフバランスの向上や高い給与水準など、労働条件の部分でも大きなメリットがあります。

外資系企業で働くことで得られるメリット、ベネフィットについてはこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひ読んでみてください!

まとめ:すぐクビになるは誤解!外資系で活躍できる人材になろう

まとめすぐクビになるは誤解

外資系企業は簡単にクビになると思われがちですが、クビ(解雇)は法律上、簡単なことではなく外資系企業でもよっぽどの理由がないと行われません。

パフォーマンス不足などの理由においては、実際には「退職勧奨」という手段で従業員と合意の上、円満に退職の手続きが行われることをご説明しました。

事前に会社の業績や日本オフィスの貢献度を調べておくことで、限りなく退職勧奨のリスクを下げることは可能です。また、自分の経験やスキルにマッチした求人を選ぶことも重要なポイントです。

パフォーマンスに対するプレッシャーや退職勧奨のリスクがあったとしても、外資系企業で働くと大きなベネフィットを得られます。

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